表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
873/1022

《第871話》『それは迫りくる足音のようなモノだったのかもしれない』

「夜貴ッ!」


妾は部屋に入るなり、一にも二にも置かず愛しき者の名を叫ぶ。

遊からの連絡。それは再び起こった夜貴の変調を知らせるものだった。頭痛に苛まれ、またもや意識を失ったのだと言う。


「あ、えっと――お帰り……?」


しかし、そんな心配の元駆けつけ目に飛び込んできたのは、ベッドから身を起こした夜貴がのんきに林檎を食べている様子だった。


「――っ、よ、夜貴、平気なのか?」

「う、うん、今起きたところだけど――」


何ともない様子のその姿を見て、妾は脱力する。


よかった、何事も起こらなくて――……、


「………」

「あ、ああ、遊。知らせてくれた事に礼を言うぞ。しかし、心臓が砕け散るかと思った。この様子だと、すぐに目を覚ましてくれたようだが」

「………」


遊は何も喋らない。元々無口&無表情な少女なので、本来ならそれに違和感は覚えない。の、だが。


「――どうした?」


妾はそんな人形少女の様子に、首を傾げる。俯いた様子、そして一言二言は流石の彼女と言えど発してもおかしくない状況なのに、何故か口をつぐんだ状態を貫いている。


「――遊」

「こころして」


嫌な予感がよぎり、思わずもう一度呼び掛けると。そう短く返答された。


「ねえ――」


そんな直後だった。


「ところで、君は誰なの――?」


夜貴が、そう言葉を口にしたのは。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ