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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
869/1022

《第867話》『無かったことにしたい過去』

「どうだ、このノパソの中身を!」

「そ、それをどうする気だ貴様――ッ」


あからさまに狂鬼姫が動揺している!? 今取り出したアレに、一体何が映っているんだ、ここからじゃ見えねぇ!


「無論、知り合いに流出させる――!」

「気でも狂ったか貴様!? それをすれば貴様とて、」

「承知の上でやっているが、何か?」


樹那佐の嫁さんの手にあるノートパソコン。見た目は、一般的なものだが――、


「は、はんっ! この妾が、その程度の脅しに屈すると、」

「『見よ、我が力と権威によって平定されたこの世を。しかし、それは仮初の平和に過ぎず。光あるところに闇は生まれ、再び秩序を破壊し平定された世界を混沌に、』」


 狂鬼姫が、それはもうブルーハワイも真っ青な青ざめ方をした。なんだなんだ、この無駄に仰々しいというか、何と言うか――?


「朗読するな卑怯者ぉ!?」

「『それはこの闇を牛耳る鬼神の身とて例外ではない。支配してるはずの闇は、しかし虎視眈々と我が首元を狙わんとその魔眼を光らせているであろう』」


 狂鬼姫が空間転移から樹那佐の嫁さんに襲い掛かった。が、あっさりと彼女はそれを回避した。器用にもパソコンの画面に出ているであろう文章を口にしながら。


「わかった、わかったからヤメロ! 妾暴れるのヤメルからヤメロォ!」

「『沈まれ、我が闇。この闇の盟主たる妾の元へと下った今、貴様に自由は未来永劫』」

「降伏したのだから口を閉じんか貴様ァッ!」


 この勝敗、誰の目から見ても明らかだった。頭を抱えて顔を真っ赤にする狂気鬼を見て、それを勘違いする者は誰もいないだろう。


「アーッハッハッハッハッハッハッ! 己の弱点は己こそが知る事による勝利げぼぁっ!」


あ、樹那佐の嫁さんが吐血した。


えーと、何だ。一先ず収まった――と言うことでいいの、か………?


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