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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
849/1022

《第847話》『集合』

「そっちも無事だったか」


 怪人に連れ去られるまま空を舞い続ける程およそ10分。近隣の山の上に立つ電波塔、その根元付近で、狼山とそれに背負われた遊が待っていた。今は遊の治療で施設にいるはずだが、その様子はいかにも抜け出して来た、と言った体をそのまま表している。

 遊の衣服が黒のゴシックドレスではなく、病院着がまさにその証拠だ。


「その口ぶりと様子から察するに、そちらも訪問を受けていたみたいだな」

「事前に只ならぬ気配を察して逃げてきたけどな」

「そんな中、妾達を気にかけてくれたことに感謝する」

「礼なら遊に言ってくれ。本調子じゃねぇ中、アレを出して外敵の襲撃を装って助けてくれたんだ」


 振り返ると、怪人は特に生身の見えない身体でボディビルポーズをっていた。それに何の意味があるんだ。


「俊也、約束。アイス」

「今ここにはねぇよ――!」

「ウソツキ。罰」

『ワレは怪人トンマロク! 嘘を嘯く嘘つきな輩に、嘘より恐ろしき天罰を与えん!』

「怪人使って抗議するなよいてててて!」


 妾達をここまで糸で釣って連れてきた怪人は、新たな糸で狼山の髪を縛り上げ上に引っ張る。あれは痛い。


「――いちゃつくのは後にしてくれんか?」

「アイス集られてるだけだってのいてててて!」

「それで、ですがぁ――ネロフィ君が、ここにはいないようですが」

「一回、こっちから連絡してんっすけどね。電波の届かないところに居るのか、繋がらねぇんすよ」

「――あいつもまた、名も無き悪魔を退治しに行った。それは少し、心配だな」


 向かった場所が向かった場所なだけに、ディアのことが気がかりだった。悪魔は一体でもそこそこの実力を持ち、そして、力を増してきている。場数をそれなりに踏んでいる以上、引き際は心得ているだろうが――、


「それもそれとして、だ。――夜貴が、未だに目を覚ましてくれないのだが」


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