表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
847/1022

《第845話》『愛する者の異変』

「――おい。お前たちは夜貴に何かしたのか?」

「はぁ? 抵抗もないのに、そんな事する必要が無いじゃないですか」


 妾は思わず問いかけてしまったが、奴らが何もしていないことなど見ればわかった。冷静に状況分析を行っている今、頭に血が上ったりなどしてそれを認識違いすることはない。

 と言うより、感じ取れる様子からは一切異変が見えなかった。それはもう、これ以上ない程夜貴は健常で、異状は感じられない。


 ――意識がない以外は。


「本当に、何もされていないのか――?」

「樹那佐君があなた方の出た後、また頭痛で苦しみ出してですねぇ。連絡して呼び戻そうとしたのですが、彼自身に止められて――」

「意識を失ったのは?」

「この方々が来る、少し前です」


 百々百々の話を落ち着いて聞き取る。当たり前だが、頭痛で意識を失うなど尋常なことではない。今は安らかな顔をしているが、夜貴の身に何が起こっているのだ――?


 当たり前だが、そのような兆候など今までなかった。いや、病気の中にも前触れ無く症状が起こるモノもあるので、一概に違うなどとは言えまいが。

 いずれにせよ、嫌なモノを感じざるを得ない。


「――何が起こっているかは分からんが、今夜貴は危険な状態にある。病院に運んでやりたいのだが」

「それはご愁傷様で。ですが、こちらにそんな義務はありませんので、丁重にお断りします。そのうち目を覚ますかもしれませんし」

「もしものことがあってからでは遅いだろうが――!」

「そんなもの、こちらの管轄外です。我々は、この事務所に所属する人間の尋問を命じられているだけですから」

「お役所仕事のマニュアル馬鹿が――!」

「それをこなすのが、私共の仕事です」


 埒が開かんと、この問答から妾は悟った。理由不明の頭痛に意識不明。大事になってからでは遅すぎる。後悔先に立たずだ。

 こうなれば致し方無しだ。夜貴の身だけでもと、妾は空間の穴を開こうと考える。


 ――と、そんな時だった。


『ワレは怪人トンマロク! ロクデナシ共にろくでもない制裁を六回程加えてくれよう!』


 クロマントに仮面の怪人が、窓を割って出てきたのは。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ