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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
845/1022

《第843話》『平和維持のために』

事務所に居たのは、黒髪短髪にスーツ姿の人間だった。その容姿は、男か女かの区別がつかず、そしてそんな格好に妾は見覚えがある。


「お久しぶりですね樹那佐先輩の奥さん。いいえ、鬼神・狂鬼姫」


そして――所内には、他にも大勢の黒服達が侵入していた。夜貴と百々百々は、奴らに拘束されている。

目の前のこいつが、黒服共を先導しているのが伺えた。


「――誰だっけか、覚えていないのだが、」

「イオナズン」


突然、妾の顔面を爆発が襲う。この程度、防御するまでもない。


「冗談だ、そう怒るな。何しに来た?」

「年寄りは物忘れが酷いと思い心配しましたが、覚えて頂いたようで何よりです」


まあ、忘れたなどと言うのは勿論煽りだった、わけだが。

カオル・クルチャトフ。平和維持継続室の戦闘員の一人だが、以前ここに配属された際に問題を起こし、異動になった筈だ。


「所長・百々百々 憲寿及びその事務所所属の職員に対し、鬼神・狂鬼姫との内通の疑いが出ています。よって、全員への尋問を我々は言い渡され、拘束のためここにいる次第です」

「――っ、」


妾は表情に出さぬように努めながらも、内心舌打ちする。


確かに、幾度となく警告は受けていた。だが、状況が悪くなりつつあるなか、取り返しのつかぬ状況となる前にと、動いていた事が、今更咎められる事となろうとは。

ここは、虚言でも何でもいいから、何とか夜貴らが罪を被らぬようにしなければ。


「何を言うかと思えば、鬼神たる妾が、人間ごときを情報を共有するなど。奪い取ったに決まって、」

「百々百々所長は、狂鬼姫と情報を共有し、魔界より来訪せし悪魔の対処を行っていたと先程仰られましたが」


え、と思い百々百々所長へと視線を向けると、めっちゃ表情で謝ってきていた。


「おっまえええええええええええええ!?」

「そして様子を見るに、それは真実であるようですね」


カオルは、ザマアミロとばかりにせせら笑った。


――この状況、如何にして丸く収めるべきか。


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