表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
842/1022

《第840話》『握った拳を力任せに叩きつけて』

アタシは、全身の魔力を開放した。


「む、」

「はァああああああああああァァーーッッ!!」


――ヤツは先程、何の前触れもなくアタシを捕らえた。情けないことだが、戦闘などと言う行為ももはや成り立たぬ程、一瞬で負け同然にされてしまったのだ。


だから、全力を出さねばどうにもならないと理解した。正直この姿は嫌いだが、もはやそんなこと、言ってはいられない。


力が、拘束を破る。


「ククッ、身体の奥底にある力を表へと出したか」

『…………』


ねじくれた一対の角。ドクロのような面に、鋸の刃のような歯。

身長は2mを越え、両腕、両足共に硬質的かつシャープでありながら暴力的。

先端が鎌のような尻尾は細く、長く。背中には一対の蝙蝠のような翼の感覚がある。


――そんな、真紅の悪魔。それが、今まで例えどんな窮地であろうと出さなかった、アタシのもう1つの姿だ。


『アァアアアアアアアァァーーッッ!!』

「っ、っ、ほう、これは――!」


魔力をブチ放ち、周囲を赤い風で切り刻む。この力は、親父から受け継いだ破壊そのもの。力によって全てを薙ぎ払い、周囲のモノを滅ぼし尽くす。


だが、悪魔の力は強力ではあるが、理性が本能に追い付かなくなる。早い話が、火を着けたら止まれないのである。


だが、この状況ならばへたるまで暴れても問題はない。何せ、ここはヤツの腹の――、


アタシを、身体の中から何かが襲った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ