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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第三章
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《第八十三話》『しもべが生きられた道』

「――この男の言っていることは、正しいのですか? 狂鬼姫様」


 幾分か動揺し、揺れる瞳。零坐さんが、初めてちゃんと僕の言葉を聞いた気がした。

 それは、何らかの思い当たる節があったからなのかもしれない。――少なくとも、聞くだけの何かがあったのだろう。


「――ん、そうだな。いや、間違ってはいないが、そこまで詳細に言葉にしたことはなかったから、素直に驚いている」

「呉葉はあまり考える方じゃないもんね」

「馬鹿にしているのかお前は!?」

「いやいや、僕はただ呉葉は直感で動くって言ってるだけだよ」

「それにしたって、言い方というモノがあるだろう!?」


「――で、あるならば……」


「――うん?」


「我らはもはや用済み――ということですか?」


 零坐さんの動揺した顔はさらに深くなる。


「狂鬼姫様が新たなる道を選んだというのならば、その道に我々が続くことができない。なぜなら、それは先の見通しが効かない全く新しい道なのですから」

「――何が言いたい?」

「それはすなわち、我々の死――」


「こンのばかちんがぁーっ!」

「ほぶぅーっ!?」


「ちょ――っ、呉葉ぁ!?」


 呉葉の平手打ちが、零坐さんの頬を打つ。とんでもなく景気のいい音が鳴った気がする。


「お前たちは何故自分達が自由になったと考えられんのだァ!」


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