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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
834/1022

《第832話》『見え隠れする悪魔』

 妾は無数の鬼火玉を放ち、あらゆる角度から悪魔を襲わせる。一つ一つが、並みの妖怪を吹き飛ばせる程の威力を持った妖気の塊だ。


「流石、この世界において上位の力を持つ者」


 ――が、名も無き悪魔は、次々と火の粉を散らして消滅していく。くるくると回されたステッキが、鬼火玉を全て弾いていくのだ。


「何を生ぬるい攻撃をしておるんじゃ狂鬼姫!」


 悪魔の背後へと回った九尾の狐が、巨大な宝剣を振り回す。

 一回転して繰り出されたその剣撃は、妖気を込められ広範囲・遠方を切り裂く漆黒の刃と化す。だが、それも悪魔は――、


「そして、そこの愛らしき者も同等レベルの力を持っているな」


 背後に目でもついているのかと思うほどの反応で振り返り、悪魔はステッキで弾き上げ一閃。

 飛来する妖気の刃が、真っ二つに折られてその余波が妾へと向かってくる。


「っ、ど、ぉ――!? っ、ええい、駄狐ェ! 危ないだろうがァ!」

「貴様がのんきにやっているから悪いのじゃ!」


 空間転移で悪魔の頭上へ逃げる。妾でなくば、狐の一撃で真っ二つだ。

 それを利用しそのまま、名も無き悪魔へと殴りかかる。

 ――またもや攻撃は、ステッキによって止められてしまう。


「余は自らの住居を吹き飛ばされて無性に腹が立っておるのじゃ! その怒りに巻き込まれたとあれば、それは貴様が悪い!」

「愛らしき者、汝が一番暴れてはおらなかったか――?」

「やっかましいわ!」


 九尾の狐が、またもや回転と共に尻尾を振り回す。その中から、無数の真空の刃が悪魔へと襲い掛かる。


「はははっ、まるで吾が悪役のようだ」


 が、名も無き悪魔の姿が、その足元へと吸い込まれるように消える。


「――っ!? この……ッ」


 そのせいで、妾が狐の攻撃にさらされる。それを妖気の壁で吹き飛ばして、何とか地面へと足を降ろすことが適った。


「空間転移で回避しおって――! 危うく妾がやられてしまうところだ」


 名も無き悪魔は、また少し離れた位置にその姿を現す。不気味な微笑みを、その貌に浮かべながら。


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