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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
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《第829話》『狐と奇術師』

妾の視界に飛び込んできたモノは、爆炎だった。


「けほっ、けほっ、何だ――?」


妾は名無しの悪魔を討伐するために、駄狐の巣穴へと空間転移した。そうして開幕飛び込んできたのが、それだ。

咄嗟に防御結界を張れなければ、炭になっていたところだ。


「おや、今度と言う今度こそ、吾に会いに来てくれたかのか?」

「…………」


炎の中、立っているのはタキシードの悪魔。そして――、


「あ、ん? 狂鬼姫? 何じゃ、余は忙しいのじゃが」


全身から妖気をみなぎらせ、剣を構える九尾の狐・藤原 鳴狐の姿だ。


「と言うかこいつの今の口振り、このヤヤコシイヤツは貴様の知り合いかえ?」

「定義上『敵』の知り合いだな。これはどう言う状況だ」

「戦っているに決まっているじゃろう!」


言われずとも見ればわかる。妾が問いたいのは、そこに至る過程の話なのだ。


「吾が答えよう」


代わりに、タキシードの悪魔が、ステッキをくるくる回しながら口を開く。


「この者の力を、奪い取ろうとしたら、反撃にあっている。その結果が、この炎舞う美しき光景の理由だ」


やや不満そうに、まるで訴えるようにそう述べる悪魔。しかし、その発言には何一つ同調の余地はない。

――力を奪う。こいつの中に妖気や霊気が詰まっているのは、他からそうしたためなのか。


「移動した先に偶然強い力の者がいると、これは行幸と思ったのだが。如何せん抵抗が強く、この通りよ。手伝ってはくれぬか」

「――狂鬼姫、よもやヤツの側についたりなどせんじゃろうな」

「それはそれでお前に嫌がらせできそうではあるが」

「――おい!」

「そんな遊びをしていれば、余計な厄介事を作りそうだ」


妾もまた、全身に妖気をみなぎらせる。


「残念ながら、今回は貴様の味方だ、駄狐!」


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