《第815話》『探索開始』
「早速、件の悪魔の所在が割り当てられましたよ」
僕はPCを操作して、対象の位置情報を受信する。ここから程遠くない地点を、座標は示していた。
「ラッキーだね。国外とか行っててもおかしくないとか思ってたんだけど」
どうやら、ウチの組織は海外の同業には今回のことは一切話していないらしい。またなんのかんのとややこしい個人事情があるらしいが、今はひとまずさておき、だ。
「どこかフラフラいっちまう前に対処してぇな」
「他の事件に紛れちまってるけど、世界でも幾つかアヤシイのも出てるしね。表向きは不審死、こちらがわでも不審死、っていう形でね。勿論絶対こいつのせいって決まってるわけじゃないけど」
世界でも、探知に引っ掛からないのは同じ。誰も、その犯行を認知出来ないのだ。
「とりあえず、コーハイや所長は吉報を待っててくれ。アタシと狼山、遊で対処してくる」
「――はいわかりました」
ちなみに、僕は戦力外通知を受けてしまった。実際、逆に足手まといになりかねないが、もどかしい。
「そんじゃ、行ってくるよ」
そうして、ディア先輩達は事務所を後にした。僕はその背中を見送ることしか――、
「――ッ!?」
突然、僕を一瞬、激しい頭痛が襲った。
「あれ?」
そんな中、自身の机で探知情報を閲覧していた所長の声がする。
「反応、二つになっていませんか?」




