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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
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《第806話》『掴みどころなき闇』

「ええいっ!」


 掴みかかってくる銀髪女の手を妾は振り払い、もう一方の腕で至近から鬼火を放った。

 圧縮された妖気が、黒コートの胸のあたりで爆発を起こす。その威力は、ビルの柱を粉砕できるダイナマイトに匹敵する。


「――っ、ぶっ、げぶっ、」


 それをまともに受けた銀髪女は吹き飛び、アスファルトの上で数度バウンド。そのたびに、首や手足はあらぬ方向にボキリと曲がる。


「ふ、ふふふっ」


 しかし銀髪女は、身体の内部が砕けたままのようなその姿のまま地に足を着け、勢いを殺しつつ立ち上がる。

 そしてバネを地面に叩きつけたかのように大きく跳ねると、そのままこちらへ飛び掛かって来た。


「何なんだ貴様は――ッ!」


 妾も対応。突撃しつつ、真正面から渾身の力を込めて拳を打ち出す。


「何!?」


 しかしその衝撃は躱されてしまう。

 しかも、その回避と言うのがまたまた奇天烈で。まるで軟体動物化のような曲線を胴体が描き、ぬるりと抜けられてしまったのだ。


「がっ」


 銀髪女の腕――いや、もはや触手と形容したほうが適切な軟体のそれが、妾の首を掴む。


「調子に、乗るなァ――ッッ!!」

「?」


 全身から鬼火を迸らせ、銀髪女を直火焼き。直後首を絞めつけていた手の力が弱まり、それを好機とみて引きはがす。

 そのまま、銀髪女を地面に叩きつける。


「はぁ、はぁ――全く、本当に何なんだ貴様は、気色悪い」

「――面白い」

「あ?」


 潰れた蛙のようになりながらも、平然と言葉を紡げるのか。いよいよもって、気持ち悪くなってきた。


「汝、吾と組まないか?」


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