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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十二章
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《第798話》『今年も、よろしくお願いします!』

「新年!」

「明けまして!」

「「おめでとうございます」」


 テーブルの上におせち料理とお雑煮を前に、二人向かい合う――でなく、並んで新年のご挨拶。お正月らしいことが出来ないと思っていたが、事務所の皆がありがたいことに帰れるようにしてくれた。


「うむ、皆にはお礼を言わんとな」

「今度、何か持って行ってあげなきゃね――」

「さて、今年のおせちも妾の手作りだ。これで三度目、大変であることは変わりないが、大分と慣れてきたものだ」

「最初のおせちは――すごかったね」

「驚かしてやろうと、張り切って――挙句事故ったな。懐かしい」


 ちなみに、今日目の前に並んでいるおせちは皆がよく知る一般的なモノで固められている。以外に思われそうだが、本人曰くやはり普通が一番、とのこと。


「今でも、おせちにシャトーブリアンを入れたのはやり過ぎだったと思っている」

「おいしかったけどね。あんなにおいしいお肉食べたことはなかったよ」

「けど、こう――アレは何か違ったな。うん」


 今回ここに並んでいるモノは、それなりに質はいいらしいが、あからさまに無駄に高級な食材は使って無いらしい。二年目は確かキャビアとフォアグラとトリュフが入ってたなぁ。


「少なくとも、家庭料理と言うのは値段だけではない。愛情もまた、重要な要素なのだ。この三年に及ぶ結婚生活の中で、妾はそれを見出した」

「呉葉――」


 誇らしげに語る呉葉。彼女は鬼であるが……一緒に居られて。結婚できて、よかったと心の底から思う。

 思う――んだけど、


「呉葉、ちょっといい?」

「うん? どした夜貴?」


「このおせちに入ってるみずみずしい食べ物って――」

「さっ」


 呉葉が目をそらした。


 メロンだった。なんとなく、夕張と名のつくメロンのような気がした。


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