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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十二章
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《第785話》『お金の光』

「出会えェ! 出会えェ!」


 駄狐の声と共に、一斉に妖気が蠢き始める。

 その数は、この妾――かつての狂鬼姫のしもべ達に勝るとも劣らない。それらが一斉に、逃げる金霊を戸惑い気味にも追いかけ始める。


「なァんで正当な権利を主張したのに捕まらなきゃならないんザマスかァ!」

「やっかましいのう! この余に対して金がどうこうというせせこましいことを宣うからこうなるのじゃ!」

「せせこましいと言いつつ貴様は今トンデモ必死なわけだが」

「外野はだァっとれィ!」


 建物の外へと、空中を滑るように飛ぶ金霊。そこに、妖怪達が一斉に襲い掛かる。

 ――だが、考えてみてほしい。今の金霊は、「スーパー」な存在である。


「大人しくお縄につけぃ!」

「嫌ザマス!」

「ぐわぁ~!? 目が、目がァあああああああああああああああっっ!!」


 距離を取ったこちらですら、顔を背けてなお目に刺さるような光。襲い来る妖怪共全ての戦意を一気に喪失させた金霊は、どんどん逃げて行ってしまう。


「ええい、情けない奴らじゃのうッ! 侍渺茫!」

「久方ぶりで候!」


 鳴狐の側近たる和服姿の侍が、金霊の背中に迫る。お金の精は、先ほど同様光を迸らせる。


「ザマスッ!」

「効かぬで候。目をつぶり、妖気を頼りに追いすがればいいだけの事!」

「なるほど、その手があったか!」

「主の貴様が驚いてどうする」


 輝きの中、侍渺茫の手にした刀が迫る。ヤツの本体とも言うべき、禍々しき妖刀。あれで斬られれば、どんな妖怪でもひとたまりもない。


「かくなる上は――ッ!!」

「そうろッ!?」


 だが、刃が当たるより早く、金霊からより強い輝きが発せられた。


 それは――まさしくビームだった。


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