表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十二章
784/1022

《第783話》『貧乏狐』

「そ、そうじゃ! もっと早く言っておれば、余とてじゃな!」


 駄狐はまるで倒壊する建物の中で脱出口を見つけたかのように、焦りと喜色を滲ませ反論した。相変わらず、威厳もへったくれもない狐である。


「毎年毎年確認を取っていたザマス。先ほど申し上げたザマス」

「そ、そうじゃとしても、もっと強く――っ」

「そして、このタイミングで返金していただいた理由ザマスが」

「ふむふむ?」

「丁度、借金が狐様の財産とほぼ同額になってしまったためザマス」


 あっけらかんと、金霊は言う。悪びれた様子は微塵もない。むしろ当然のことを言っている、という気満々である。まあ、借りた金を返すことは当然のことだからな。

 しかし、何故同額になった時を見てこいつは強引な手に?


「このままでは、借金は膨らむばかり。しかも、年々浪費が収入を上回り、財源は減少してゆく一方。同額になった時点で、これ以上静観していれば返済はあり得ない。そう判断したザマス」

「は、破産してしまうじゃろうがァ!?」

「返済すべき借金は無くなったため、首の皮一枚と言ったところザマス」


 いずれにせよ、駄狐のアホが財産を失ってしまったため、今後は厳しい生活が予想される。

 しもべ共は元々金どうこう関係ない(関係なくもないわけではないが)にしても、派手な生活などもっての外。


「とりあえずその十二単はとっとと質にでも入れてくるのだな!」

「それは貴様が言いたいだけじゃろ!?」

「ああ!」

「ええい、もうよいのじゃァッ!」


 駄狐より、唐突に妖気が膨れ上がった。


「そもそも、何故余が借りた金を返さねばならんのじゃ――ッ!」

「――何?」


 こいつ、踏み倒す気か!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ