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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十二章
783/1022

《第782話》『長年の積もり積もりが』

「当然ザマス。いくら相手が狐様であっても、あちしもタダでお金を貸すわけがないザマス」


 金霊は、眼鏡をクイッと上げた。このタイミング、この性格、この状況で本当にやるヤツ、初めて見た。


「と言うか、貴様何故部下から金を借りたんだ」

「いやその昔、ちょっと目の前に欲しいモノがあってのう――」

「いくらだ?」

「――100貫」

「1000万から1500万、といったところか。一体目の前に何が転がり込んで来たら突然入用になるんだ」

「今からおよそ300年前ザマス。確かその時は外へ入用で、その際に美しい屏風に出会われたと記憶しているザマス」


 いわゆる、衝動買いと言うヤツらしい。外へ入用と言っても、多額の金を持って行くような用事でもなかったのだろう。


「ええっと、そうすると――だいたい金利は10%弱?」

「ちょっと高いが、悪徳高利貸しと言うほどでもないな。と言うか、よく貸したし、貸せたな?」

「あちし、一種のお金の精ザマして。そして、お狐様は数々の妖怪を束ねるお方。信用も充分だと考えたんザマス」


 さも当然のことを言っている、という体だが、実際当然のことを言っているためまるでツッコミどころがない。

 ケチクサい見た目だが、するところはしっかりしているようだ。


「何で返さなかったの?」

「いや、んなはした金、いつでも返せるわー、と思って――」

「利子の説明はしたのか?」

「勿論ザマス」


 百歩駄狐側に歩み寄るとすれば、その説明を本当にしていたのか怪しいところだ、というところだが――、


「そ、そう言えば、そんな事も言っておった気がする――」

「えぇ?」

「契約書も、ほらザマス」

「ちょっと黄ばんでるが、確かにそのように記されているな」


 こうなると、悪いのは一気にこのアホ狐と言うことになってくる。まるで全然、この金霊と言うヤツにほぼ非は無い。

 ほぼ。


「しかし一つ疑問に思うのだが」

「何ザマス?」

「何故、このタイミングで言い出したのだ?」


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