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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十二章
782/1022

《第781話》『ある種似た者同士』

「つまり金霊、貴様が余の金を奪ったという事かえ!?」

「奪ったなどと人聞き、いや、妖聞きの悪い」

「無くなった、などと嘘までついたじゃろう!」

「嘘ではないザマス。返してもらったら、無くなったザマスよ」

「屁理屈こねおってェ! もう許さぬ! 今ここで消し炭に――」


 狐の周囲から、熱気が立ち込め始める。やかんを置けば、沸騰どころか瞬く間にそれそのものが溶けかねないだろう。

 ――まったく、この単細胞狐。少しは話を聞いてはどうか。妾は怒りを滾らせる狐の傍に立つ。


「まて駄狐」

「おごっほォ!?」


 脇腹に肘うちしてやると、駄狐はすぐに熱気を霧散させて跳び上がった。


「っ、何をする狂鬼姫ィ! 貴様よもや、このコソ泥に味方するつもりではないじゃろうな!?」

「そうではない。ただ、貴様がここでブチ切れると、人間の夜貴が危ないから止めたのだ」

「多分、あのまま炎出されたら巻き込まれちゃう、かな――」

「別に貴様らがどうなろうと知ったことではないが、夜貴の命を危機にさらされては困る。――もう少し冷静になれ馬鹿者」

「出会っていきなり殴りかかろうとしたのはどこのどいつじゃ」


 奴にとっても、夜貴がどうこうは関係がないだろう。が、こちらの言い分ははっきり通させてもらう。少し落ち着いたのか、駄狐は不満そうにしながらも再び発熱することは無かった。


「そもそも、返してもらった、ってこのヒトは言ったよね。利子、とも言った。つまり、鳴狐はお金をこのヒトから借りたことがある、という事なんだよね――?」


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