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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十二章
779/1022

《第778話》『7が三つ並んでいる』

「めでたい! 777話ッ!(昨日)」

「えっ、鳴狐は!?」


「どうしてそこでヤツの名が出るのだ」

「いや、僕のいない間になんだかお金に困って訪ねてきたみたいだけど――」

「どうせアイツの事だ、しょーもない理由で紛失したに違いない。そんな事より、777話だぞ!」

「昨日だけどね――」

「スリーセブンだぞ! めでたいぞ!」

「い、意地でも話題にしないつもりだ――」


「こんな幸運の日に辛気臭い話をする気はない!」

「――ちなみに、777話だと何が起こるの?」

「気になるか?」

「そりゃあ、まあ――」

「777話な、なんと!」

「なんと?」


「読者によいことがある!」

「また責任持てない発言を!?」


「何だ、読者に幸運が有ってはいけないとでも言うつもりか!?」

「んなわけないよ!? けどもし特にそんな幸福が特になく、やたら無駄に平々凡々だったり、もしかしたらちょっと道で転んだり、しかも月曜日だし、足を滑らせて高層ビルの屋上から落ちたりしたら嘘も甚だしいよ!」

「最後即死案件! 普通の人間にとっては運が悪いではすまないぞ!?」


「でも、君の言ってることってそういう事だと思うんだけど――」

「全く、まだまだ甘いな夜貴は。どうあっても、よいことがある、ということは決定しているのだぞ」

「――妙に自信満々だね。どこにそんな前向き根拠が、」


「生きてるだけで丸儲け!!」

「一気に景色がディストピア!?」


「いやいや、平和な時代に生まれた幸運を、ここは皆喜ぶべきだと」

「あらゆる戦争の時代を体験してきたから言えることだってわかるけど! わかるけどさぁ!」

「ならば何が問題――」


「やっぱり貴様のせいじゃろ狂鬼姫ィいいいいいいいいいいいいッッ!!」


「わ、どこから出てきたの鳴狐!?」

「帰れ」


「あっつぅううううううううううううううッッ!!?」


「うわ、容赦のない鬼火。――ねえ、鳴狐に幸運は?」

「あ? あるわけなかろう」


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