《第768話》『ペッパーも胡椒由来ではない』
「ドク〇ーペッパー。妾は、割と好きなのだが、」
「ホント唐突に話を突っ込んでくるよね――!」
「独特の風味で、かなり好みが分かれる飲料だ。ちなみに、ほんの5年ほど前だが、なんとなくで500mlボトルを10ケース注文したことがあるのだが」
「普通に話し続けた!? と言うかホント、なんでいきなりジュースの話!?」
「細かいことは気にするな! で、それだけ注文したのだが――結局、手を付けたのはほんの一部のしもべと、妾だけだった」
「ドクターペッ〇ー飲む妖怪って、なんだか新鮮だなぁ――」
「国内ではそれゆえに人気の高い飲み物、と言うわけではないのだが。これが作られたアメリカ合衆国では、かなりポピュラーだそうな」
「――大分、国ごとに味覚が違うってことがよくわかる例だよね」
「その様子だと、あまりお好きでない?」
「うん――正直。薬臭いのがね……」
「20種のフルーツフレーバーで出来ているそうだが」
「苦手な僕としては、どんな珍妙なフルーツ使ってるんだと言いたくなるんだけど?」
「ちなみに、『ドクター』とつけているのは開発当時の風潮らしい。そうついていたほうが、健康的に思えたらしいな」
「てっきり薬臭いからだと思ったよ――! と言うか何なの? そう言うところで健康気にするのに食事の量減らす気は無いのあちらさんは?」
「ストレートに毒を吐くなお前は! 気持ちはわからんでもないがもう少しオブラートに包めぇ!」
「だって毒ジュースだし。ドクなだけに」
「ともかく、未だ原料非公開なこの不思議な飲み物! 興味があったら試してみると言い!」
「どこにダイレクトマーケティングしてるの!?」




