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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十一章
755/1022

《第754話》『もう二度と会いたくはないでしょう』

「いたた、た、た、た――」


 吹き飛ばした方向まで様子を見ると、洞穴の壁より、ペスタ・エプティは這い出ようとしている最中だった。

 アレを食らって、壁にめり込んでおいて、足をぶつけましたよ程度の感想だと? 冗談は止してくれ。そして見た目は実際に砂埃が付いた程度の変化しかないのだから、本気で冗談は止してほしい。


 なんだ、この底知れない化け物は?


「むぅ、よもや喰らってしまうとは。お見事です」

「――こちらとしては、多対一でこれだけやってようやく一発入れられた、ということに非常に不本意かつ信じがたい光景なのだが」


 多数のしもべを危険に曝してなど、本来あってはならない。そんなリスクを冒したというのに、ダメージさえもまともに入っていないのだ。


 今、全力で妾は。どうすべきか考えを巡らせていた。


 ヤツの目論見が今破綻しているとはいえ、次にどんな手で出てくるか、分かったものではない。これ以上は勘弁してほしいが、現実はそうは――、


「――仕方ないですね」

「――っ、」

「一度引くとしましょう、ここは」


 しかし、予想に反し。ペスタ・エプティは撤退を意味する発言をした。


「分からないですし。もう一人のターゲットがどこへ行ったのか。崩壊も失敗してしまいました。組織の」

「…………」

「これ以上意味はありません。ここにいることは」

「――そうか」

「もう一つ、それと」

「っ、今度は何だ?」

「面白そうなので、将来が」

「――どう言うことだ?」


 意味の分からないことを宣うと、ペスタ・エプティは立ち上がり、そのまま歩いて出口へと向かってしまった。振り返ることは無く、何故か鋏を背負ったままスキップまでして。


 ……――どっっっっっっっっっっっっっっっっっっと、疲れた。


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