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《第七十四話》『強者と弱者、炎と氷の異種融合』

「貴様っ、妾を撃つのだ――！」

「っ、出来ません！　狂鬼姫を撃つなど――！」

「今の妾は素手では無いか！　絶好のチャンスなんだぞ！？」

「出来ません！　出来ませんったら出来ま――、」

「隙ありゃあああああああああああああああああああああああああああああああっっ！！」

　現在の呉葉が叫ぶとともに銃声が鳴り、零坐さんが死亡する。その勢いは圧倒的で、一部の隙も無かった。

　――まあ、ただのゲームなんだけど、ね。

「全く、舐めプレイもいいところではないか！　リスポーンしたての妾が目の前にいて、何故撃たぬ」

「で、ですから、狂鬼姫様を撃つことなど出来ませんと――」

「全く、折角チーム分けをしたというのに。これではツマランではないか」

「だからわたくしは、このわたくしと狂鬼姫様二人の三人チームにと言ったのです！」

「それはただの弱いモノ苛めだよ！？」

　一応一つ補足しておくと、このゲームの対戦はステージ内の銃を拾って互いを撃ちあうというごくシンプルなものだ。４人いるので２対２にしたわけなのだが、この通り、零坐さんが全く役に立たない。

　――まあそれ以前に、僕は下手くそ、零坐さんも下手くそなんだけど。

「というか、下手くそ二人組ませてどうするんだよ！？　そっちが勝つのは当たり前じゃないか！」

「妾は戦うのが好きなのではない。勝つのが好きなのだ」

「不公平！」

「貴様ァ！　狂鬼姫様の行動にケチをつける気か！」

「――おい、現在の妾よ。セリフに誰もツッコンでくれん」

「夜貴もあまりそう言う文化には詳しくないしな――」

　そうして、他にも様々なゲームをしつつ、日は暮れていった。