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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十一章
735/1022

《第734話》『鉄拳制裁!』

 こいつ馬鹿か! いや、確かに体格の上では大きく差はあるが、先ほど妾の力は見ているハズだろうに!

 しかも、一歩間違えば自分が踏みつぶされる可能性もあったのだ、どうして我が身も顧みずに飛び込んだのだ!


 妾は樹那佐 夜貴を引きはがし拳を握る。向かってくる百棍は、もはや前など見えていないらしく、妾がいてもお構いなしに突っ込んでくる。


「いい加減にぃィ――……、」

「イタァイ! イタイゾォオオオオオオッッ!!」

「せんかァああああああああああああああああああああああッッ!!」


 百棍の腹部に、全力のストレート。炸裂した鬼神のパワーは、我ながらすさまじく。

 巨大な鬼の身体は襖と壁を幾重にも破壊し、貫き、そして吹き飛ばされゆき、遂には外壁まで達しても到底止まることは無く。

 空間をいじって出来た洞穴の岸壁に激突してなお、勢いが殺し切られることは無い。巨体が打ち付けられた岩肌に百棍は深々とめり込み、ボールをぶつけられたガラスのごとく、壁には亀裂が入った。


「全く、阿呆め」


 そこ! 妾自身が一番壊しているとか言わない!

 空間を切って繋いで別のところに飛ばしても、その先でしばらく暴れ続ける可能性が濃厚なあやつには、鉄拳制裁が一番効果があるのだ。

 故に、これで収まったはず。――それにしても一体、何が起こったのか。

 目が覚めたころには、いつものごとく百棍は何も覚えてはいないだろう。となれば、樹那佐 夜貴に事態のあらましを聞くべきか。


「おい、一体何が起こっ、った――?」


 振り返る。使者は。樹那佐 夜貴は。いつの間にか姿をかき消していた。


「――よもや、余波でどこぞかに吹き飛んでいったのではあるまいな?」


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