表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十一章
728/1022

《第727話》『何、ただの会話、と言うヤツだ』

 元の宴会場(?)に戻って来た僕ら。いつの間にか、僕らを取り囲んでいた女性らはいなくなり、今はこのだだっぴろい部屋の中。未だたくさん残っている料理群を前に、呉葉さんと二人きりで座っている。


「樹那佐 夜貴。あなたは、闇に息づく者、世界の裏側を住処とする者、それらをどう思われまス?」

「え、っと――?」


 藪から棒に。この娘は、何を――?


「素直に思っていることを言っていただいて構いませン。その答えでどうこう、と言う事はしませンし、できない」

「…………」


 呉葉さんは、手羽先を解体しながらそう続ける。「む? どうやるのだったか――」などと、雰囲気自体は食事中の会話そのものだ。


「僕、は――」

「ふむ――じゃなかった、はイ」

「そんな無理して丁寧な言葉使わなくてもいいよ――」

「なにっ、悟られていたか」

「だってイントネーションおかしいし」

「妾の演技を見抜くとは、なかなかやるな」

「誰でもわかると思います!」


 呉葉さんはんぐぐっと咳払い。


「――で、どうなんだ? 先ほど言った通り、妾は別に、その答えが何であろうとお前をどうこうするつもりはない」

「じゃあ、なんで聞くの? ここは、その――」

「ああ。妖怪や異能持ちの巣窟だ。そして、そこにいる奴が、それらに対する印象の何を言われようとも怒らぬ、と言うのは、まあ、不思議だろうな」


 無理するなと言ったためだろうか、それは態度にもより顕著に出始めている。お酒を飲み、料理を食べ。しかし、そのどれもが普通の人間の仕草から逸脱したモノではない。


「別に、何のことは無い。ただ、思っていることを聞きたいだけだ。ただの、雑談の一幕のようにでも思ってほしい」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ