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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十一章
725/1022

《第724話》『仕切り直し』

「――さて問おう」


 うつ伏せ状態の僕。恐ろしい少女が去りゆいてから、呉葉と名乗る、見た目よりもはるかに強靭な少女が振り向いてくる。


「お前は、何のためにこの場所に現れた?」

「……――っ!」


 僕の目に、先ほどまでの彼女の暴れっぷりが焼き付いている。

 大鋏の少女もさることながら、力と技巧を駆使するその自称殺し屋を、文字通り力づくで拮抗、あるいはねじ伏せにかかっていく。

 単なる小間使いでは、あり得ない力――彼女は、


「ぼ、僕、は――」

「…………」


 睨み付ける様子はなく、飽くまで穏やかに見つめる赤い瞳。

 しかし、纏う雰囲気に有無を言わせる様子はない。見る者全てを従わせる、絶対者のたたずまいがそこにある。

 僕は、その瞳に射竦められ。自らの目的を――……、


「ふむ、そうか」

「っ、」


 僕はびくりと、肩を震わせる。まるで、裁判長がジャッジ・ガベルを打ち鳴らすかのような、その一言に。

 僕の方へと歩き迫る、白い女の子。僕は、自らの死を覚悟――、


「では、宴の再開としましょうカ!」

「えっ」


 だが。また、小間使い――と本人は思っている態度に、少女は戻った。ぎこちない敬語と共に。


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