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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十一章
724/1022

《第723話》『予言』

「飽くまで牙を剥くというのであれば、妾がうっかり手加減し損ねてしまう覚悟も出来ている、と言うことだな?」

「どうでしょう? うーん」

「貴様、このままグダらせる気か」


 どうにもこうにも、こいつの態度は宙に浮いていて面倒くさい。やるならやる、やらないならやらないではっきりしてほしい。そして、そのうっとおしい殺気をとっとと収めてほしい。


「あっ!」

「――今度は何だ」

「思い出したことがあるのです。もう一つ」


 そう言うなり、ペスタはそのやたら長大な鋏を背中に背負った。いったい、どうやって背中に張り付いているのやら。


「なので、手を引きます。一先ずは」

「いい加減、押しつけがましいマイペースに辟易しているのだが?」

「言い渡されていたのです、忠告してこいと。もし、ターゲットを守るようなら。誰かが」

「忠告、だと?」


 零坐め、また何かややこしいことを考えているのか? 妾は呆れて腕を組み、聞くだけ聞いてやろうという姿勢を取る。


「『その少年は狂鬼姫に終焉をもたらす』、だそうです。依頼人が仰るには」

「…………」

「どうされました? ダンマリですが」

「いや? ありきたりな文句だと思ってな」

「そうですか」


 そう言うと、ペスタは樹那佐 夜貴には見向きもせずに部屋から出ていく。――その鋏の横のはみだし方で、よく引っかからずに行けるモノだ。


「では、私はこの場を離れます。命は惜しいので」


 誠に馬鹿馬鹿しい予言を残し、本当にその場からいなくなる歩くダークファンタジー。

 何とも面白みのない作り話。狂気鬼が終わりを迎えるだと? 零坐のヤツ、そんなモノでこの妾がひるむとでも思っているのだろうか?


 ――と、この時まで妾は思っていた。


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