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《第716話》『使い慣れない口調』
仲良くなる第一歩! 出だしはまずまず、と言ったところだろうか?
OK、どんどんこの調子で行こう! 1000年の月日で得た最強のコミュ力を、今こそ発揮するとき! まだ丁寧口調に慣れんけど!
「趣味は何デスカ!」
「えっ、趣味!?」
「私はテレビゲームでス!」
「えっ、えっ、えっ、」
「なるほど、絵ですカ!」
「え、あ? ち、違います!」
「ちなみに、私は完全に見る専門ですがネ! あなたがどんな絵をお描きになるのか興味津々ですわヨ!」
「何なのこのヒト、ヒトの話聞かない!?」
「と言ったところで、あなたの本当のご趣味ハ!」
「聞いてないようで案外聞いてたっぽい!?」
円滑なコミュニケーションを行うに当たって、緊張を解すなど当然のこと! ――妾は緊張していないのか、だと? ただすこぶる調子に乗っているだけだ!
「え、えっ、と、趣味はーー」
「フムフム!」
「あはは――正直言うと、特にない、かな……?」




