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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十一章
716/1022

《第715話》『けっしてそんなつもりは!』

「えっ、僕の名前――?」


 唐突に。実に唐突に、名前を聞かれた。

 陰陽道の観点より、他者に本名を伝えることはタブーである時代も、大昔にはあったという。この鬼はそう言う時代からずっと生きてきたという話だし、その手のモノを媒介とする術を身に着けていてもおかしくはない。

 多分、人伝に聞いたとしても、効果があったはず。

 やはり、あの手この手で優位に立とうと――、


「ちなみにわたくしの名前は呉葉くれはと申しマスワ!」


 普通に自己紹介して来た!?

 え、いや、えっと、まあ多分この娘は手下だろう、し――? それに本名である確証も、も、も……、

 ――? 「呉葉」と言う名前、どこかで聞いたことがあるような?


「あ、ちなみに名前で縛ってどうこう、と言うことはありませんのでご心配ナク!」


 しかもまだ何も言ってないのに懸念事項を口にした!?

 ど、どうなんだろう、これは――まわりまわって、やっぱり罠? いや、


「ちなみにちなみに、どこにそんな証拠が――?」

「忘れもしますワ。地味だし」

「昔のヒトに謝ってきた方がいいんじゃない!?」


 特に、陰陽師系あたりに! 絶対そんなこと言ったらいろんなヒト怒る! まあ、確かに地味――じゃない、派手さはないイメージあるし、少し陰湿な雰囲気も、


「それはきっと各方面に怒られますワヨ」

「最初に言いだしたの君だよ!? 後何!? 僕の心が読めるの!?」

「直感とは、時に最強になるのですワ」

「もうこの話ナシナシ! 僕らは何も貶めてない! そう言う事で!」

「と、言うところであなたのお名前を、ドウゾ!」

「樹那佐 夜貴ですよォ!」


 と、いうカンジで。流れるような自己紹介をしてしまった。

もはや、直前の葛藤とか何の意味もないよね! いえ、無かったことにさせてくださいお願いします!


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