表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第三章
71/1022

《第七十話》『薬局は近場にございません』

「なんですか? 発言権の無い癖に口を開くとは」

「そ、そこまで言わなくてもいいじゃないですか――っ」

「全くお前ら――ならばとりあえず、夜貴から話してみるといい」

「えっと、ううん――僕は後でいいよ」

「なんだ、結局喋らないのですか? だったら最初から、声を出さないでいただけますかな?」

「う、うぅ――辛辣すぎるよ……」

「それでですね、とりあえず私が狂鬼姫様方にお伺いしたいことと言うのはですね――その、どうして、お二人に増えられたりしたのですか?」


 ――確かに、彼にとってはそれが今一番気になっているかもしれない。ううん、正直に答えたらまた僕が睨まれそう……。


「逆に聞こう。何故だと思う?」


 とは、現代の呉葉。


「え、いや、何故って、そんな、わたくしめに想像がつくはずないではありませんか――!?」

「命令だ。答えて見せよ」

「い、今までお仕えしてきた中でも上位に位置するレベルの難題――!? そんな、無茶を仰らないでくださいよ!?」

「ふーん、そうなんだー。妾の命令に逆らっちゃうんだー。へー」

「ひ、ひぃっ!?」


 ――かと言って、ちょっとこれはかわいそうな気もする。呉葉はニヤニヤしているように見えて、その目は全く笑っていない。


「こらこら、現在の妾。そんな意地悪をするものではなかろう」

「きょ、狂鬼姫様――っ!」

「――で、何故だと思う?」

「狂鬼姫様ァ!?」


 うわぁ、幻影の呉葉まで攻撃に回った――。こっちはこっちで、完全にからかい目的だというのが、その目で分かる。


「も、もう、二人とも! その辺にしておいてあげてよ!?」

「む、何故だ夜貴。お前を困らせたこの不届きジジイには、同じ、いや、それ以上の報いを受けてもらわねばならぬ」

「だ、だからって――もぉーっ!」

「くははっ、お前は優しいなぁ。何、こいつとは違い、妾はただからかっただけだ」


 不満げな現在の呉葉、僕までもをからかいの対象にしようとする幻影の呉葉。そして――、


「折角必死で答えをひねりだそうとしておりましたのに、余計なことを――ッ」


 手助けしたつもりが、僕を思いっきりにらんでくる零坐さん。

 ――胃薬、途中で買っておくべきだったかな?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ