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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十一章
706/1022

《第705話》『動けない――ッ』

 幼女から大人まで。背の低いヒトから大きなヒトまで。痩せたヒトから太ったヒトまで。胸の小さいヒトから大きいヒトまで。様々な、実に様々な容姿の女のヒトが、まるで津波か何かのように押し寄せてくる。


「わぁ~っしょい! わぁ~っしょい!」

「わ、あ、あっ、やめ――!」


 そして、何故か胴上げ。それをされながら、そのままなすすべなく、建物の中へと僕は運ばれて行ってしまう。


 ――ぶっちゃけ、マズイ事態である。


 彼らからは、皆一様に妖気を感じる。それこそ大なり小なりあるようだが、つまりそれは全員が妖怪か、それに限りなく近い存在であることの証である。

 つまり、今の僕の立場からすれば敵。なので、退魔札を使って払っておきたいところなのであるが――、


「わ、ふ、ふだっ、わ、わぁ――!」


 こう、ぽんぽん上にあげられたりすると、取り出そうにもうまく手が動かせないわけで。

 つまるところ、仕掛けられていた罠(?)に嵌められた形になる。


 そうして僕は運ばれて行ってしまう。屋敷の入り口は大きく、胴上げされたままでも問題なく運ばれてしまう。


「お客様ぁ! こちらにお座りくださぁい!」

「うわっ」


 そして、僕はぽいっと放り投げられる。


「い、いたたたた、た――ここ、は……?」


 正直言って、僕はこの時点で覚悟を決めていた。

 反撃できない。手玉に取られている。もはやこの時点で詰んだも同然なのは明白。

 きっと僕が運ばれたのは、処刑部屋の類。このまま、日の光を拝むことは二度とないと、


 そう、思っていた。


「ま、満漢全席――!?」


 大きな部屋。目の前に広がる無数のお膳と、その上に乗せられたいろんな、それこそ、いろんな国籍の料理の数々。


 ――戦うために来たのに、正直意味が分からなかった。


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