表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十一章
704/1022

《第703話》『色仕掛け!』

「な、なにこれ――?」


 洞窟を通り抜けていった先、突如として現れた空間。そのスペースいっぱいに立てられた巨大な屋敷。それは様々な時代の建築様式が入り混じった、不思議な建物。

 そんな風変わりなキメラ屋敷の入り口――平安時代や鎌倉時代を思わせるような形状の大きな玄関の上に、掲げられている看板。


「歓迎って、どういうこと――?」


 人間。人間――そこには、人間を歓迎するという旨の言葉が記されている。

 僕、間違えてないよね? ここ、鬼神の住処だよね? ちょっと変わったヒトのお家じゃないよね?

 いや、住んでるのが人間だったら「人間」とはわざわざ書かないだろう。少なくとも、ここを住処にしているのが人外の何かだということは想像がつく。

 それに、わざわざ書かれた「お一人様ご一行」。――いや、一人なのに一行とか意味が分からないけど、この、「あなた一人のためにこの看板をつけました」と言うカンジがこれでもかと醸し出された板。


 それは明らかに、平和維持継続室からの使者を予見したモノだ。


 ――つまり、僕がかの鬼神を退治にやってくるということは、既に読まれている、と言うことになる。

 敵が来るのにぼーっと待っている者はいない。となれば、この屋敷の中に多数の罠が張り巡らされているのは明白である。


 僕は背負ったリュックサックから、退魔符を取り出す。妖怪に対する通力が込められたお札のようなもので、妖気をエネルギー源として動いている彼らのそれを中和し、活動停止にさせる効力を持つ。投げれば妖気を探知して追尾する機能も付いている。


 複数枚取り出して、いつでも放てるように準備――……玄関が、開く。


「よぉうこそおいでくださいまぁしたぁ~!」

「え?」

「あぁなたがお越しになるのぅおうおうおぅ、」

「おォまちしぃておりましぃ~……、」

「え? え? え?」


「「「「「「「たァああああああああああああああああああああッッ!!」」」」」」」


 開いた玄関から、たくさんの女性がこちらへ駆けてきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ