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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十一章
702/1022

《第701話》『今は懐かしき――』

「ただいま~……? 呉葉? 何してるの?」

「ん? おお、夜貴! お帰りだ。ちょっとアルバムの整頓をしていたのだ」


 帰宅すると、リビングの床の上で呉葉がいくつかの冊子を広げていた。

 台所からはお味噌汁の出汁の香りが。夕食の準備はおそらく出来ていて、僕が帰ってくる時間の合間に、その整頓をしていたのだろう。

 しかし――どうにも本来の目的が頓挫した様子が見えるのは僕だけだろうか?


「まあ、お察しの通り。見ていたらどうにも、な」

「これ途中から横道に逸れるアレだ――」

「ちなみに、今見ていたのは、夜貴と妾が出会った時のものだな」

「この写真、どうしてこんなことになってるんだろうね!」


 いくつかある中で僕が注目した、一つの写真。その中央には慌てふためく僕。そして、周囲を取り囲むのはたくさんの女のヒト達――いや、変化した妖怪達だ。


「――この写真だけ破り捨てようか」

「思い出! 一応! こんなのでも一応、思い出だから!」

「あの時はノリでけしかけたが、今見るとむかむかしてくるぞ!」

「思いっきり自分が原因じゃないか!」


 あの時の僕は、呉葉とはまだ結婚してなくて。むしろ、平和維持継続室の上層部に言われて退治をしに来た立場にあった。

 そんな、決して穏やかな切っ掛けではなかったのに、今はこうして二人、共にいる。


 狂鬼姫と呼ばれる鬼神と、組織におけるただの下っ端だった僕。


 ――思い返しても、実に奇妙な出会いだった。


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