《第700話》『ラッキーセブン! ありがとうございます!』
「さて――遂に来たぞ、700話!」
「気づけば、もうそんな話数になるんだね」
「何と言っても7! ラッキーセブンだ」
「もしかして、何か催し物的な何かがあったり?」
「あるわけないだろう!」
「だよね――」
「と言うわけで、本日の放送は699話の続きで海からだ!」
「そもそも今までどこからかやるって明言されたことがなかったよう、な――?」
「ついでに、きっかりの回では地の文も無しだからな。状況や風景に関しては、完全に読者にお任せ感もあった。明確な描写もまあ――必要はなかったしな」
「ある意味手抜き――?」
「逆に考えれば、発言することで状況を操れるとも考えられる」
「え?」
「妾達が今いるのは、沖のど真ん中だッ!」
「!? ちょ、ちょっと何言ってくれてんの!? 僕泳げないんですけど!?」
「何故夜貴は溺れていないか? 当然、立ち泳ぎ中の妾にしがみついているからだ!」
「照れている時ではない状況!? あのねぇ!」
「何せ地の文がない! 即ち言ったもの勝ちなのだ! よって、今の妾は完全に一人勝ち!」
「君ってこういう時抜け目ないよねぇ!」
「ふふん、スーパーのタイムサービスを逃さない女は、こういう時強いのだ」
「ならば妾からも一つ」
「!? 偽者! 貴様どこから――」
「樹那佐 呉葉の水着は流されてしまった」
「貴様ァ!? 何を言ってくれる!」
「ぶ、ぶ、ぶ」
「沖のど真ん中、流された水着、そして何よりマッ裸な貴様に抱き着いたままの樹那佐 夜貴」
「ぶ――……、」
「待て、700話記念を混沌に陥れようとするな! 妾は今現在、普通にらぶらぶしていたいのだ! そんなお約束スケベェは要らん!」
「もう遅い。既に混沌だ」
「ぶはぁ!」
「――うわぁい、久々の鼻血だぁい」




