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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十章
697/1022

《第696話》『鬼工的天変地異』

 僕の目の前で、信じられない出来事が起こった。


「と、突然足元が崩れ落ちるなど、想定外じゃ――っ」

「図ったな!? 図ったじゃろ! 球を打ち返すタイミングで、どうして砂が崩れ落ちるんじゃ!」

「あれだけボコボコ砂浜を打ち抜いていたから、そう言うこともあるだろうなァ! あるだろうよ!」

「…………」


 呉葉のサーブ、それをレシーブしようとした鳴狐。ここまでは、ビーチバレーによくある絵面。

 球の勢いも、ごく普通。何もかもが、普通。そうして試合が普通に運んでいくのだと、僕は思っていた。


 思っていた矢先、鳴狐の足元が陥没した。


 さあどう受けるか。鳴狐がボールに触れようとした瞬間、砂浜が地盤沈下を起こしたのである。

 それは、あまりにもタイミングが良かった。突然起こったそれに、鳴狐が二人そろって生き埋めになったことは言うまでもない。――すぐに這い出てきたけど。


「貴様のドジさ加減が招いた事態だろう? ボールを受けられなかったから、こちらの一点だ!」

「な、納得行かぬ――っ!」

「ならば砂浜を直してもう一度やろうじゃないか!」


 そうして、もう一度呉葉がサーブ。


「――次は突然地面が凹んでも大丈夫なよう身構えておくのじゃ」

「そぉれ!」


 下段より放たれるボール。強く打てば外に出てしまうため、やはりその勢いは通常の速度。


「次は先ほどのようにいかぬ! それ、もう一人の余よ! しくじるでないぞ!」

「当然! さぁて、どう料理して――……っ!?」


 鳴狐がボールに触れたその直後。ビュオっと風が吹いた。


「あ、あ、ああああああ!?」


 風に流されるボール。まるで台風に匹敵する突風に、ビーチボールはコートの外へと流れて行ってしまった。


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