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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十章
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《第690話》『炸裂した結果――!』

「えーっと――」

「相手コートに入ったから、妾の一点だな!」


 僕らの視線が集中するのは、鳴狐側のコートにおいてぺちゃんと潰れたビニール。もとい、元ビーチボール。

 上空へと舞い上がったそれを、呉葉は思いっきり相手コートに叩きつけたのだが――そりゃあ、鬼神の腕力で叩けばそうなるというもので。


「――仕切りなおそっか」

「なぜだ!? ボールは相手コートに入っただろう!」

「肝心のボールが潰れちゃ、返せるものも返せないよ!」


 空気が込められているからこそ、打って返せるわけで。どうあっても返しようのないボールでは、試合にならない。むしろ、反則負けにならないのが温情と言ってもいいくらいだ。


「しかし、それでは一生試合が終わらんぞ? 妾や駄狐の身体能力では、ボールが潰れない程度の緩い力でやりあっても、ほぼ必ず対応できる」

「だよ、ね――」


 そう考えると、ビーチバレーはあまり二人の勝負に向いていないような気がしてきた。最初に提案したのは呉葉だけど、どうするつもりだったんだろう。

 ――まさか、萎びた皮みたいなボールを打ち合うつもりで……? 案外、あり得なくもなさそうだから困る。


「妾にいい考えがあるぞ」

「偽物――?」

「まずは、これを用意する」


 そう言って、狂鬼姫は空間転移で何かを取り出した。


「岩!?」


それも、ビーチボールとほぼ同等サイズ。


「これを、ちょいと妖力で覆ってだな――これで、そう簡単に壊れることの無いボールが出来上がった」

「イシツブテ合戦みたいだな。ふむ、それはそれで悪くない」

「悪いよ!? 岩である必要あるの!?」

「なぁに、ギャグ時空+大妖怪だ、まず死なぬし、怪我をしても次の回には治っている」

「もう一人の呉葉は呉葉以上に言動が分からないよ!」

「おい駄狐、それで構わんか?」

「ん? あ、ああ」

「どうした、先ほどからダンマリで」

「怖気づいたか?」

「あ、アホを言うでない! 余が貴様を恐れるなど――!」

「天地が引っくり返っても、有り得ぬことじゃ!」


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