表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十章
685/1022

《第684話》『子供の喧嘩』

「呉葉ぁ――……、」

「なんだ、妾はただこの駄狐を成敗――」

「呉葉」

「うっ、むぅ――」


 強く言われると、流石に呉葉も反省――したかどうかはともかく、不満げに頬を膨らませるだけで、それ以上何かしようとはしなかった。不意打ち気味にヒト――狐の頭で西瓜割りとは、油断も隙もない。


「競い事で勝敗を決めると言ったが、流石に今のは一発殴り返さねば気が済まぬぞえ!」

「押さえて押さえて――」

「押さえられぬといっておうじゃろう!」

「見た目しっかり大人なんだから、そうすべきところは穏便に――!」

「言動の合間を縫って妾をディスるでない!?」


 とは言え、どうするべきだろう。パッと思いつく方法がないわけなのだが。

 この前の呉葉と冀羅の戦いを見て、必ずしもそれが戦闘である必要が無いということから思いついた策なのだが。

 

「ここは水泳じゃろ。海じゃし」

「水泳、ねぇ――」

「いや、ビーチバレーだな」

「鳴狐はルールしらないでしょー」

「びーちばれーとはアレじゃろ? 球を撃ち合って、それぞれの陣地で落とした方が負けじゃと言う」

「知ってんの!?」

「大妖狐たる余を舐めるなよ? くっくっく」


 僕が思うのは、一回でこの二人が納得するのか、と言うことだ。互いを敵視、ライバル視しているため、直感ではあるが、ただの一度で納得できる未来が見えない。


「――じゃあこうしよう。今から僕が提示するゲーム三つ、それで先に二勝したほうが勝ち、と言う事で」

「正直言うと、それで決めるより直接戦って叩き潰したいところなのであるが」

「それをするとこの辺り一帯が焦土になるから――」

「むぅ――し、しかしだな、こいつはいつか人間にとって仇名すヤツなのだぞ?」

「ふふん、狂鬼姫。逃げるのかえ?」

「貴様なぜか突然物分かりがよくなりおったな!?」

「余は大人じゃからのう! どこぞのエセ鬼神と違って!」

「なにおう!? いいだろう、貴様は如何なる分野とて妾には勝てぬことを教えてやるわァ!」


 こうして、海岸を舞台に二人の大妖怪の勝負が始まった。

 ――さっきよりはマシ……なハズ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ