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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十章
684/1022

《第683話》『夏の風物詩』

 全裸を曝すことになったり、呉葉と鳴狐が二人絡まって砂まみれになったりしたが、とりあえず事態は収まった。

 けれども、相変わらず睨み合いは続いている。


「あいすの怨み、忘れるものか――! 末代まで祟ってやるからのう……っ」

「何だと、まだやるか――ッ」

「貴様が血を見ることを望んでいるからじゃ!」

「それを望んでいるのは貴様だろうが!」

「ま、待った待った!」


 折角一度は収束したのに、また始まってはたまったモノじゃない。

 今回の事態、海水を(一応低気圧ごと)何故か鳴狐の方へと送った呉葉に100%非がある。

 だが、謝れと言って、特に鳴狐に対しては謝るはずの無い呉葉。ここは、両者それなりに納得のいきそうな方法で場を収めてもらう他ない。


「ここは一つ、ルールに乗っ取った勝負で、決着をつけない?」

「ルール?」

「そうだよ。はっきり言って、僕としても二人が傷つくのは嫌だし」

「人間風情が、余を気遣おうと言うのかえ?」

「あはは――でも、決着をつけるのに、原因が食べ物なのは君も納得いかないんじゃない?」

「むぅ」

「――夜貴、して勝負のルールとはなんだ?」

「あ――ごめん、まだ決めてない」

「ふむ、そうか――」


 呉葉は顎に手を当て、何事か考え始める。


「よし駄狐、西瓜割りにしよう」

「待て狂鬼姫、勝手に――」

「お前西瓜な」


 呉葉が指を鳴らすと、鳴狐が突然砂に埋まった。頭だけ出したままで。


「き、貴様いきなりなにを――!」

「そぉ、れッッ!!」


 そして、どこからともなく取り出した棒を、砂浜から出ている鳴狐の頭めがけて振り下ろした。


 ――直前で鳴狐は跳びだし、砂浜は砂飛沫を大きく上げて抉れ飛ぶ。


「何する!?」

「ちっ、もう少しで叩き割れたというのに」


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