《第679話》『爆発!』
「き、気を取り直して、妾達は妾達で遊ぼうか」
「う、うん」
こちらに背を向け海に入っていくディア先輩から視線をそらし、呉葉の方へと向く。
それにしても――肌が白くて、とってもきれいだな……。
「あと、遊びの他にも、今日は夜貴の泳ぎの練習もだな――うん? どした?」
「あ、いや、ええっと――」
「ほ、ほう? ようやっと、妾のせくしぃさに気がついたか? ん?」
「せ、せくしぃとはちょっと遠いカンジするけど、ね」
「やかましいわ!」
「だけど、うん、ね――?」
「は、はは、は、そんな風に見つめられる、と言う、か、変な緊張をされる、と、こっちもその――反応に困ってしまう、ぞ……?」
「うん、ごめんね」
けれども、こう、僕の中でもっと見ていたいという欲求が自己主張している。
赤みが差した頬も、弱々しく言われる文句も、それを押さえるには足りなくて。僕は自分の身体の内がじんわりと暖かくなることを実感してもなお、見つめることをやめられない。
まるで、熱に浮かされたように。
「…………」
「…………」
僕の視線と、呉葉の赤い瞳が、交差する。
そして――、
「ぼわぁあああああああああああああああああああああああああああああっっ!!?」
「呉葉!?」
呉葉が、爆発――もとい、突然炎に包まれた!?




