《第677話》『なぁに、次は勝てるさ』
眉間にしわを寄せたディアが、堤防から砂浜に降り、こちらへ向かってくる。
「あんだけどでかい妖気の爆発、アンタレベルじゃないと有り得ないし、そうそう沸いて出るわけでもないし! 何やってんのアンタ!」
「ちょっと台風強くしてしまったリ異常な温風を吹かせたり津波起こしたりチョモランマ取り寄せたり――」
「何やってんのアンタ!?」
最初は、ちょっと天気をよくしようと思っただけだったのに。どうしてこうなったのか!
自然法則とやらは、どこまでも妾達の青春を阻むつもりらしい!
「そ、それで、どうするつもりだ――っ! 妾、退治されてしまうのか?」
「――アタシは事態収拾を命じられただけで、『退治しろ』とははっきり言われてないね。ただ、無茶苦茶やったのは叱らせてもらうよ!」
「う――すまん」
「あとコーハイ!」
「は、はいっ!?」
「アンタ名目上は監視役なんだから、アンタがストッパーにならなきゃ駄目じゃないか!」
「う、すみません――」
二人して、腰に手を当てたディアに叱られる。――最初に台風と雨雲を消すことに成功していたら、こうはならなかったろうに。おのれ大自然。
「反省してる?」
「――まあ、それなりに」
「そうかい、ならいいんだけど。さぁて、それはさておき――」
ディアはそう言って、来ている服を脱ぎ捨てた。
めっちゃ、水着着ていた。
「アタシも遊ぶかァ!」
「――おいっ!」




