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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十九章
655/1022

《第654話》『事故』

「っ、おい――ッ! おい、大丈夫か!?」

「う、ううん――? 朝、ですかぁ? 痛――ッ!?」

「血まみれで寝ぼけてる場合じゃねぇだろ!?」


 炎に包まれるガレージ。赤々とした光が、漆黒の車体で反射される。

彼ら――黒永シューティングスターのレーサー男女両名は、今まさに。火災事故の真っ只中だった。


「何が、起こったんでしょう、かぁ――?」

「わからねぇ――給油ポンプが、突然……っ」


 片田舎の工房、そのガレージの隅には、彼らの夢を運ぶレーシングカーへと燃料を補給するためのポンプがある。

 電動式のそれで、レーサーの片割れはGT-Rへと補給を行おうとしていた。先に補充してから、トラックで今期最初のレースが開かれるサーキットへと運ぼうとしたのだ。

 しかし、手を振れた途端、いきなり火の手が上がった。


 オイルでそこら中汚れたガレージ内で、炎は瞬く間に広がった。

 それだけでなく、気化して空気と混じったオイルに引火したせいで、爆発を起こした。その衝撃で、両者は全身にやけどを負い、飛び散った機材の破片で身体中を切ってしまったのである。


 これは、過去の物語。誰にも名前の知られていない、何の成果を上げたこともない、とあるレーシングチームの短いストーリー。


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