表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十九章
642/1022

《第641話》『冷静沈着に燃え盛る』

 全く。流石の妾も、相手を舐めすぎたと反省せざるを得ない。

 確かに深く考えず、感覚と感情に身を任せるのは心地よく、そして楽ではあるが。しかしその結果が大差では、勝負も面白くなくなってしまう。


 後ろからつついてくるものだから、てっきりそう言う類の戦いかと思っていたが――後ろについて冀羅の走りを眺めていれば、思いの外その誠実な走りに驚かされる。


 そう、誠実。あの見るからに古いヤンキースタイルの見かけからは想像できない、力強く、そして美しい走りをしているのだ。


 コーナーにさしかかるごとに、R32 GT-Rの目玉のようなテールランプが赤く点灯する。先ほどのミスで追い抜かれ、そして離されたが。まだ手を伸ばせば届く範囲だ。


「――嫌でも、クールに本気を出さざるを得ないではないか」


 感覚を研ぎ澄ませ、互換の全てでタイヤのグリップ、荷重の変化を微細に感じ取ってゆく。

 鬼とは、確かに自然の摂理に反した存在。しかし、その一方で、人を越えた超越者でもある。


「――――――――――――――――――――――――――――…………」


 正直、静かに集中する、と言うのは苦手ではある。が、10分程度ならば、その状態を維持できないこともない。

 ゲームで得たコース形状。先ほど自分でステアリングを握り修正した感覚。

 その全てを、鬼神たる自身の身体能力へと収束させていく。


 高速コーナーのアドヴァンボーゲンを抜け、その先のNGKめがけ疾走。減速を最小限にしながら抜け、GPと北の継ぎ目である低速へ。


 もはや、コーナリングのスピード加減を間違える事はない。即ち――真の本気たる今の妾の実力を持って、あの若造を驚かしてくれる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ