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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十九章
629/1022

《第628話》『天気:快晴』

「――しかしまあ、随分と大がかりと言うかなんというか、派手にやるものだね、あの鬼神サマは」


 ドイツで勝手に盛り上がる妖怪達を、しらけた目で見物する金髪の女の子。

 彼女も、駆り出されたのだろうか? ――この子の場合、それならむしろ逆に来ない気もするが。


「イヴちゃん、こんにちは」

「む――樹那佐 夜貴」

「君も、呉葉に連れてこられたの?」

「ああ――あ、いや、祖父が半ば無理やり、な」

「あはは――君も大変だね」

「――そうでもない、な」

「ん?」

「――いや、何でもない」


 相変わらず、ちょっと無口なところは変わらないようで。けれども、どこか少し楽しそうに見えるのは、僕の気のせいだろうか?


「おーい、夜貴ー!」

「え? なぁにー!?」


 ピットエリアの出口付近でこちらを呼ぶ呉葉に、同じく声を張り上げる僕。ちなみに、僕はもう少し離れた位置にいる。一人寂しそうなイヴちゃんに、声をかけに来たのだ。

 実際、厳密なことを言えば狂鬼姫の部下から外れる位置に居るので、周りが妖怪だらけな彼女は、ひとりぼっちなのかもしれない。


「レースクイーン!」

「えぇ?」

「夜貴がやってくれぇーっ!」

「ハァああああああああああああああああああああッッ!!?」


 また、ウチのお嫁さんおかしなこと言ってるよ。


「やらないからねーっ!」

「なんだとぉー!?」


 と言うか、僕一応男ですし! 男にそんな格好させようなど、一体何を考えてるんだ呉葉!?


「ふむ――」


 すると、イヴちゃんが腕組みをして、息を吐いた。


「ボクが、代わりにレースクイーンをしようか?」

「いや、やめときなよ、空気肌寒いよ?」

「…………」

「!?」


 突然、イヴちゃんに足を蹴られた。体格の割に、ものすごく痛かった。


「――しかし、少し空気が湿っているな」

「え、そう? ――そう言えば、なんとなく……?」

「果たしてそれがレースにどう出るか――見ものだな」


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