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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十八章
613/1022

《第612話》『パ〇プンテ・ストロベリー』

「さて、またまたもらった魔界イチゴだが」

「うん」

「イチゴムースにしてみた」


 ディアがまたもや、魔界から送られてきたと言うイチゴをおすそ分けしてくれた。

 ――しかし、相変わらず何というか。独特な見た目をしている。先端はトグロを巻いているし、刺々しいし、何より色が黒紫で毒々しい。

 オマケに謎のぬめり。手に持てばズシリと重く。そしてやはり漂う、生臭さ。

 これでおいしいのだから、世の中――いや、魔界はよくわからない。


「そうして出来上がったのが――これだ」

「――ナニコレ?」

「イチゴムース」

「うん、まあ、そうだよね――」


 呉葉が出してきたのは、プラスチックのコップに入れられた――なんだろ、青緑色をした……やっぱり、何?


「一応言っておくが、ちゃんと作り方を調べて作ったぞ」

「分かってるよ――作ってる最中、変な声あげながら何度もパソコン確認してたのを見たし」

「変な声言うでない! 飛んだり跳ねたり、時々トルネードするのだぞ!? どこにも、クッ〇パッドには書かれていない!」

「流石のお料理サイトも、魔界イチゴだけはカバー範囲外だったみたいだね――」


 このイチゴムース、今は静かだが、なんだかお酢のような酸っぱいニオイが漂ってくる。ぼこっとガスが噴き出たりはしなかっ――なんで言った矢先泡立ち始めるかなぁ!?


「――念のため、妾が先に毒見……いや、味見しよう」

「言い直さなくてもその顔で充分伝わるから! というか、無理しなくていいよ!?」

「いや、折角友人がくれたイチゴで作ったのだから、おいそれと捨てるわけにもいかん」

「作り方を遊んだわけじゃないのに、どうしてこんなことに――」


 呉葉が、スプーンでムースをひとすくい。何故だか小さく、「ギョエー!」と鳴く。もちろん、ムースが。

 それを――勢いに任せてパクリ。あまりにあまりの光景に、止めることもできなかった。


「む、ぐ、むぐむぐ――」

「ど、どう――?」

「ううむ、これは――……ごくん」

「これ、は――?」


「炭焼きカルビ、だな」


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