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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十八章
608/1022

《第607話》『多分、殴ると意識しているからダメなんだと思うby夜貴』

「――む?」


 洗濯機が回り終わるまでの間、漫画でも呼んでいようとソファに腰を下ろしていた妾だったが。その洗濯機の稼働音が、突然妙な音を立てて止まったため、様子を見に行くことにする。


「ぬあっ、止まっておるではないか」


 うちの洗濯機は、終わるまでの時間がパネルに表示されるタイプ。――なのだが、数字は表示されていながら、完全に動作を停止していた。


「最近調子がよろしくないとは薄々感じていたが――ううむ」


 バキッと、何かが折れるような音がしたかと思うと、突然切れたかのよう、回転が収まっていく。と言うそんな音だった。どう考えても、異状以外の何物でもない。

 だが、洗濯機のことなど分かるはずもなく。はてさて、どうしたモノかと妾は思い悩む。

一応、結婚前から妾が使っていたモノで、5年くらいは経っているのだが――。


「叩けば直るか?」


 ふとした思い付き。右手をグーパーグーパー。

 出勤しているハズの夜貴の声が、頭の中で響く。「曰く、どうにもならない程にまで壊れそうだからやめて!」とのこと。


「ええい、妾とて力いっぱい叩こうなどとは思っておらぬ!」


 夜貴は、妾のことを脳筋か何かだと思っているのだろうか? いや、実際力でねじ伏せてきたことは数えきれない程あるが――。そして、結果ボコボコに……、


「――いかんいかん! 妾はクールで知的なのだ! ただちょっと、いつも力み過ぎているだけでだな、決して、考えなしにグーを振るっているわけではないのだぞ!」


 よし、見事絶妙な力加減で鮮やかに直し、今日は妾が力だけの女ではないと言うことを証明してやろうではないか。


「こう、大きく構える事なく、だな。少し、本体から浮かせる感じで、裏拳を――こんっ、と」


 ボゴシャッ!


「…………」


 …………。


「――ふぅ。夜貴が休みの時にでも、新しいモノを見に行くとするか」


 握手で相手の手を握り潰したことはないと言うのに、一体なんででしょうね!?


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