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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十八章
605/1022

《第604話》『鬼神風お好み焼き』

「さあ、今日の夕食はお好み焼きを作るぞ!」

「愛も変わらず唐突だねぇ! と言うか、なんで夕食でお好み焼き?」

「食べたくなった! それだけだ!」

「相変わらず呉葉は、ノリとその場の勢いで生きてるよね」


 ピンク色のエプロンをつけ、腕まくりをしてやる気満々の呉葉。

 材料は、既に食卓の上に用意してあるようで。豚肉や刻んだキャベツ、すりおろした山芋等、等、等。代表的なモノに加え、紅ショウガや桜エビ、天かすなど、色とりどりのモノがそろえられていた。

 しかし――、


「なんだか、ホットプレートおかしくない?」

「まあ、ただの鉄板だからな」


 彼女の言う通り、食卓中央にあるのは一枚の黒い鉄板。そして、それを支える四脚の支えのみ。――まさかとは思うけど、


「今日は、妾の鬼火を使って作る!」

「やめて!?」

「間髪入れず!?」

「何故か分からないけど、なんだか失敗する気がする!」


 呉葉が、日ごろ探究熱心であることを僕は理解している。だが、しなくともよいところにその精神を発揮すると、毎度決まってよろしくない結果となる。

 それがいつもの黄金パターン。


「妾を信用しろ。火力調整は、あれから随分練習した」

「あの時は、お肉を鉄板で焼こうとして、やるまえに鉄板が溶けて大惨事になったんだっけ――」


 まだ、以前のハンバーグの時の方がはるかにマシ、と言う具合にやらかしたあの時。むしろ、中が黒焦げ外が生の時は奇跡だったと言ってもいい。


「さあ、行くぞ!」

「嗚呼、躊躇なく――っ!」


 僕が止める間もなく、鉄板の下に手を添える呉葉。その掌から、いつもの赤黒い炎がしゅぼっと生まれ、鉄板の底を舐め始めた。


「……――あ!? 今日は何も起こらない!」

「ふふん、妾は常に進化し続けているのだ。――ところで夜貴」

「うん?」

「片手がふさがって調理できないので、代わりに作ってください――っ」

「最初にそこに思い至ろうよう!?」


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