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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十八章
604/1022

《第603話》『ひまつぶし』

「ふむ――」


 食べかけだったポテトチップス(コンソメパンチ)、それを食べ終え、袋と輪ゴムが残る。

 いつも、口を開けたらすぐに食べ終えてしまうのだが、その日は直後急用が出来たため、こうした次第。しかしそれも、残念ながら無くなってしまった。


「輪ゴム、か」


 びよ~ん。


「ふむむ、」


 びよ~ん、びよよ~ん。


「小指にひっかけて、親指の付け根に回し――そしてもう一端を人差し指に……、」


 ぴゅんっ、


「ふむ」


 輪ゴムを拾い、もう一度射撃準備。

 目の前には、妾のマグカップ。先ほどまでコーラが入っていたそれ。


「…………」


 ぴゅんっ、


「――!」


 当たったのが、ちょっとうれしい。

 今度は、もう少し距離を離して発射。


「おお、妾も意外と――」


 そう思い、もうさらに距離を離して一発。


「あっ」


 何と、外してしまった。

 むむ――今度は少し悔しいぞ。


 そうして、輪ゴムを飛ばしては拾い、拾っては飛ばすを繰り返し――、


「ぬおっ、マジか」


 気がつけば、40分程時が過ぎていた。


 こんなことで時間が経っていたことに、嬉しいやら悲しいやら、何とも微妙な気分になった。


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