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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第一章
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《第五話》『その肌、究極素材につき、危険』

「ぬははっ、まあ、本当は料理の失敗の侘びとして、背中を流してやろうとおもっただけだ」

「そ、それだけでも僕には刺激が強すぎるよっ!」

「まったく、いつまでお前は顔を覆っているんだ。未だ顔は真っ赤になるが、まともに接吻できるようになったのも、ついこの間のことだしな」

「だ、だって、恥ずかしいんだもん――」

「ふふっ、それでいいのだ。そのままのお前で居てくれ。そら、背中を差し出せ」


 僕は言われた通り、呉葉に背中を向けた。ひとまず、これでようやく手で顔を覆い続ける必要はなくなった。


「さて――こいつを、だな……」

「――何やってんの?」


 僕の背後で、石鹸を泡立てる音。しかし、よくよく見てみれば、僕が体を洗うために持ち込んだタオルはそのままで、ついでに言えば呉葉はタオルなんて持ってなかったような。


 ぴとっ、


「ひゃあっ!?」


 僕の背中に、程よく弾力のある柔らかな感触が密着した。そして、暖かいような熱いような、それでいてじわりとしたこの温度。――これは、どう考えても、


「ななななな、な、なっ、何してんの!?」

「む? ただ妾は、身体の前面を使って普通にお前の背中を洗っているだけだが?」

「普通って常識指し示す言葉だと思ったんだけど!?」


 しかし、僕の背中を刺激するふにょふにょさわさわとした動きは止まない。

 僕の目の前が、だんだん白んで――、


「くっくっく、どうだ、柔らかかろう? 決して大きくはないが、触り心地としては充分で、肌の質にも自信があるつもりだからな」

「う、ううう、ううっ、う――」


ふにょふにょ、さわさわ。あたまに、おもいなにかがつまって――、


「ほーれほれほれ」

「ふぅっ、う、う、う――」


 ぶばばっっ!!


「――あ、」

「――――…………」

「――蛇口から血が出たらこんな風になるのだろうな」


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