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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十七章
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《第589話》『孤独の王』

「まず、あんたが何者かを聞かせてもらおうか」

「…………」

「せめて、返事くらいしてくれるとありがたいんだがな」

「――? おっと、申し訳ありません。補聴器の調子がよろしくないようです」

「っ、ふざけ――ては無いようだな」

「私は状況を理解しています。このような場に立たされ、そのような行為をできる程、剛胆ではありません」


 バシャールは耳を指でいじり始める。その身体は、見た目通りとても衰えているようだ。

 しかし、妙に威圧感と言うか、重苦しい気配を感じるのは、こんな状況でありながら妙に彼が落ち着いているためだろうか。


「で、あんたは何者だ?」

「そのようなことを知りたいのですか?」

「当たり前だ。こっちは突然あんたの襲撃を受けてるんだ。何のために、どういう目的でこんなことをしているのか、知る必要がある」

「なるほど、確かにそうかもしれません。そうですね、何からお話しましょうか。――かつてこの浮遊大陸には、それは多くの人間が生きていたと聞きます」

「今は――?」

「私、一人となってしまいました」

「一体何があったんだ?」

「何もありません。――いえ、敢えて一つ原因を述べるならば、限界に来ていた、でしょうか? 原因不明の事態により、次の世代を担う新たな命が、非常に生まれにくくなってしまったのです」

「そいつはお気の毒なこった。だが、それとお前の正体、何の関係がある?」


 まだ、彼の語った話の中に、根本的な正体に関することは述べられてはいない。


「私は、このラ・ムーで最後に生まれた命なのです。かつてこの星を去った、ラ・ムーと言う超科学国家の、ね」


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