《第576話》『合流』
狼山先輩や、彼と同様の普通の人間の銃が火を噴く。イヴちゃんが作った科学技術の産物は効果があるようで、金属の巨人たちのボディに穴をあけていく。
特に狼山先輩は、巨大な人型の頭に確実に命中させていく。――が、貫通までしているのに、機能停止する様子はない。
「先入観から頭を狙ったが――中枢は別の場所かもな。とりあえず、視覚は潰したっぽいが」
撃っては身を隠し、ビームが通り過ぎてから射撃するために身体を出す、の繰り返し。しかし、今は遠くとも、確実に行進してくるため、十字の地点まで来られたら逃げ道はない。
「それにしても、撃ちにくいな――! 反動は無いが、早撃ちすると壊れるってどういうことだ……っ」
「それはアナタが異常なだけですよ――」
「それに、もう一つ問題がある」
「なんです?」
「エネルギーがもう底をついて来やがった」
「――っ!?」
「そんな状況でなきゃ、奴らの武器を壊して確実に攻めたかったが――」
元々、物資がないためにそれ程数も用意できなかった代物である。装備しているのは銃の扱いに慣れたヒト達だけで、当然変えもない。
「Humanで言う脇腹のBoth SidesぎりぎりをFireしてクダサーイ!」
「!」
その時、聞き覚えのある口調が響く。間をおかず、狼山先輩が射撃。両脇腹に、ビームが命中する。
――すると、人型の動きが急に止まった。
「あのMachine、その場所にエネルギー伝達のChordがありマース! Cutしてしまえば、Stopするのデース!」
「よく知ってるな」
「何をHide、MeのAbilityの一つはClairvoyance、即ち透視! 見えます見えます、よーくMachineのConstruction、構造が分かる――わひぃ!?」
なぜか突然後ろに現れた、銀髪で、グレースーツのトム・トーマス・トールマンさん。危うく敵のビームの直撃を受けそうになり、華麗に尻餅をついた。
「んなところ立ってたら、的になって当然だろ――! つか、どこからきやがった!?」
「Teleportation! デース! とにかく、細かいTalkは後デース!」




