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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十七章
572/1022

《第571話》『圧倒』

「消え――ッ、ぐふォッ!?」

「呉葉ちん!?」


 漆黒の巨体がかき消えたかと思えば、次の瞬間妾は吹き飛ばされていた。

 見ると、妾が立っていた位置には、脚を振りかざしたままの金属の化け物が立っている。


「冗談、みたいに速――ぐッ!?」


 更に、冀羅お得意の跡から発生する爆炎までもが巻き起こる。その威力もまた尋常ではなく、妖力の壁だけでは防ぎきれずに肌を焦がした。


『オラオラ女ァ! 次行くぞォ!』

「く、ぐ――ぁ!」


 同じようにして、ディアもまた妾の隣に飛ばされてきた。あまりの速度に、コイツも対応しきれなかったらしい。


『ボサっと止まってんじゃねぇよ』

「――っ!?」


 背後に回られた。四つの脚が斜め上空から、連続して重い蹴りを放ってくる。

 まともに受け止めようとするのは自殺行為と判断。妾は高密度の結界を展開し、こちら二人へと降り注ぐそれに対応する。


『俺のパワーを抑え切れるリミッターはねぇ――!』


 が、それも容易く破られる。そして――あっという間に、我らの身を曝された。


「アンタこそ、調子に乗ってんじゃないよ――!」


 ディアは後退しながら、拳銃で退魔弾を撃ち込んだ。どんな妖怪であろうと、最低限ですら致命打を与える弾丸である。

 ――が、それを冀羅は見てから余裕と言わんばかりに回避。容易く、ディアの背後を取り、仕掛けにかかってくる。


「図体とスピードが、あからさまにちぐはぐではないか――!」


 妾は鬼火を鞭のようにしならせ薙ぎ払う。だが、それもまた、容易に回避された。そして同じく、飽きずに背後を取ってくる。


「ここだ――!」

『おおっとあぶねぇ』


 ディアが、目まぐるしい事態にも混乱せずに斬撃を放つが、それも躱されてしまう。


『トロい、トロすぎるぜ! まるで亀みてぇだ!』


 調子に乗った発言。だが、実際まるで妾達は、そのスピードに追い付けてはいなかった。

 これほど厄介な相手は、実に久しぶりだ――!


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