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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十七章
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《第568話》『二対一』

「――ハッ、そんなに俺様に構ってほしいかよ? モテモテだな」

「フッ、その通りさ。相手してくれなきゃ、女を泣かす悪い男になっちまうよ?」

「ハハッ、口が減らねぇな!だがよォ? さっきまでのこと、忘れたわけじゃねぇよなァ? 俺様のパワーとスピードに、手も足も出なかったろ?」


 地面が波打つ。同時に、冀羅が加速する。


「あっという間にブローさせてやるぜェッ!」


 確かに、あいつの言う通り。パワーもスピードも段違い故に、先ほどはなかなか苦労させられた。挑発したディアから片付けるつもりなのか、一瞬にして接近。足を振りかざす。

だが――、


「さて、そうなるのはどちらだろうな若造?」

「――ッ!?」


 空間に穴を開け、妾はそれに両手を通してディアへと向かった蹴りを受け止める。

 予定していない地点で防がれたため、一瞬反応が遅れたのだろう。その隙を見逃さない。脚が離れる前にひっつかむ。こうすれば、どれだけ速かろうが逃げられない。


「ディア!」

「呉葉ちん、ナイスアシストォ!」


 そこに、ディアが鋭い刀の連撃を叩きこむ。さらに退魔弾のオマケ付き。


「オラオラオラオラオラオラオラァッ!」

「うおおおおおおおおおおおおおっ!?」


 濃い妖気が冀羅自身を守っているらしく、その周囲で黒い飛沫が弾ける。しかし、それは本人の力そのモノであるらしいのか、その顔を苦痛に歪めていた。


「こ、のォ――ッ!!」

「っ、く――!」


 掴んでいた冀羅の足が爆炎に包まれ、妾は咄嗟に手を離してしまった。そのため、ヤツをまんまと解放してしまう。


「っ、卑怯だぞ鬼ババァ! 二対一かよ!」

「悪いな。そうのんびりもしてられんのだ」

「くそが――ッ! 調子に乗りやがって……っ! オマケに、また空間に穴を開けやがる」


 有事の際でなければ、一人で相手をしてやっただろうが。苛立ちもあらわに顔をしかめる冀羅には悪いが、ヤツとてドーピングクサいことをやっているため、とやかく言われたくない。


「その空間転移で――世界中の奴らの首を絞めてたことにも気が付いてねぇのかよ?」


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