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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十七章
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《第565話》『フルチューン』

「そォら!」

「くっ――」


 やむを得ず夜貴を仲間たちの元へ投げ飛ばし、両腕でその蹴りを受け止める。

 すさまじく、重い一撃。以前のコイツとは比べ物にならず、骨が軋んで痛い。


「忘れてねぇよなババァ?」

「む――!」


 直後、足の裏から爆発するように炎が上がる。その威力も、以前とは比べ物にはならず。見た目の燃え上がりはさほど変わらずとも、圧倒的密度の妖気。まるで、針の山を押し付けられているかのようだ。


「呉葉ちん!」


 妾の背後から、その頭上へとディアが飛び出す。銃弾の雨、そして幾重にも及ぶ斬撃の軌跡。そん所そこらの者では、まず間違いなく再起不能になるような攻撃の嵐。


「ハッハァッ!」

「ぐ、う――ッ!?」


 しかし、一瞬冀羅の姿がブレたかと思えば、爆炎と共にディアは吹き飛ばされた。壁に一度叩きつけられ、床に膝をつく。


「遅すぎて、低いギアだけでも充分すぎるぜ?」

「…………」

「あン?」


 冀羅の手足が、糸に吊られるようにして引かれる。その力は――遊によるものだ。これで、動きを封じられた、か?


「今度はそこのチビガキか。よく俺を捕まえられた、と言いたいが――」


 プチプチと、糸の切れる音。容易く断てるわけもないそれを切り、またもやその姿がブレる。


「遊!」

「――っと、ォ」


 容易く妾の傍をすり抜けた冀羅は、遊へと向かう前に狼山の銃撃に晒される。が、それは一発たりと当たることは無く。

 遊へと行く足を切り返し、まっすぐ狼山へと向かう。


「躱してみろよ! 動きが読めるんだろォ!?」

「っ、早すぎ――ッ」


 一撃与える瞬間、狼山は衝撃を逃がすように跳びつつ銃を盾に身を守った。しかし、例えダメージを最小限にする方法を取ったところで、その全てをゼロにできるわけではない。


「――こんなモンかよ」


 そして悠々と我らのど真ん中に立ち、ため息をつく。


「こんなモンかよ、つまんねぇな」


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